「伯方の塩」は博多じゃない?本当の産地と驚きの原料を徹底追跡
伯方 の 塩 どこで作られ、どこからやって来るのか。あの力強いテレビCMのフレーズを耳にしたことがある人なら、無意識のうちに九州の「福岡県博多」を脳裏に浮かべているかもしれない。だが、その直感は完全な誤解だ。名前に刻まれた「伯方」が指し示しているのは、九州ではなく四国・愛媛県今治市に属する瀬戸内海の離島、伯方島(はかたじま)である。
スーパーマーケットの棚で日常的に目にするこの商品は、日本の食品調味料業界において独自の地位を築き上げてきた。今なお「伯方 の 塩 どこが本当の発祥地なのか」と疑問を抱く人が絶えない背景には、全国区の知名度を誇るメロディと、実際の地理的・歴史的真実との間にある意外なギャップが存在する。2026年現在も現地やネット上で語り継がれるその背景には、地名の誤解にとどまらない深いドラマとこだわりの製法が隠されていた。
「博多」ではなく愛媛県伯方島!CMのフレーズに隠された誕生の真実

福岡のラーメン街や繁華街として知られる博多。しかし、「伯方の塩」の「伯方」は漢字が異なるだけでなく、場所もまったく違う。舞台は瀬戸内海に浮かぶしまなみ海道の島々、愛媛県今治市伯方町(旧・伯方島)だ。
かつてこの地域は、風と太陽の力を利用した「塩田」による塩づくりが盛んな土地だった。しかし昭和中期、国家の方針により塩田が全廃される危機に直面する。伝統的な塩の味を守ろうと立ち上がった地元住民の熱意が実を結び、この伯方島で産声を上げたのが「伯方の塩」である。博多という大都市のイメージに隠れがちだが、そのルーツは瀬戸内の豊かな自然環境と島民の情熱にあった。
原料は海外産?メキシコ産天日塩と瀬戸内海の水がつくる衝撃の製法

産地の真実以上に多くの人々を驚かせるのが、その原料だ。「100%瀬戸内海産の海水から作られている」と思われがちだが、パッケージの裏面を確認すると意外な事実が記されている。
主要な原料として使われているのは、遥か遠く自然豊かなメキシコ産天日塩やオーストラリア産の原塩だ。乾燥した気候と太陽光でじっくり時間をかけて結晶化された高品質な輸入天日塩を、瀬戸内海の海水で溶かし、不純物を取り除きながら再び煮詰めて再結晶化させる。なぜこのような手間をかけるのか。それは、海水のみから作るよりも塩分濃度をコントロールしやすく、にがり成分を含んだ「風味が強くカドのない塩」を再現できるからだ。海外の自然の恵みと瀬戸内の技術が融合した、ハイブリッドな塩づくりが行われている。
あの頭から離れないフレーズ!高城靖雄が熱唱するCM「は・か・た・の・しお!」とYouTubeでの再評価

日本の全世代に強烈な記憶を残している音といえば、あの「は・か・た・の・しお!」という雄叫びのようなCMフレーズだろう。あの声を担当しているのは、演歌歌手の高城靖雄氏だ。
シンプルでありながら一度聞いたら耳から離れない楽曲は、昭和から平成、令和へと時代を越えて愛されてきた。近年ではYouTubeをはじめとする動画プラットフォームやSNSにおいて、CM「は・か・た・の・しお!」のフレーズをアレンジした動画やミームが再評価され、Z世代の間でも再び大バズりを記録。単なる企業のコマーシャルを超えた、一種のポップカルチャーとして定着している。
日本の製塩業史を揺るがした情熱と「伯方塩業株式会社」創業の足跡
「伯方の塩」の歴史は、日本の製塩業の変遷そのものである。1971年、国の「塩業近代化臨時措置法」により、日本国内の伝統的な塩田は廃止され、化学的なイオン交換膜法による純度の高い塩へと一元化された。
これに対し、「ミネラルや自然の風味を含んだ塩を食べたい」という消費者運動が全国で巻き起こる。その運動の中心となった有志たちが集まり、誕生させたのが伯方塩業株式会社だ。法律の壁や製造規制と戦いながら、安心安全でおいしい塩を食卓に届けるために奮闘した歴史がある。現代の私たちがスーパーで手軽に風味豊かな塩を購入できるのは、当時の創業メンバーたちの執念があったからこそと言える。
知っておきたい雑学・トリビア!大三島工場見学と限定グルメの秘密
ここで旅行者や歴史好きに教えたい雑学・トリビアがある。「伯方の塩」の工場見学ができる施設は、実は伯方島のお隣にある大三島(愛媛県今治市大三島町)に位置する大三島工場だ。
この工場見学エリアは、観光客にとって隠れた人気スポットとなっている。入口には、あのCMメロディが流れるチャイムが設置されており、訪問者がボタンを押して声を張り上げる姿も珍しくない。さらに、現地でしか味わえない「伯方の塩ソフトクリーム」は、塩味が甘みを引き立てる絶品スイーツとして評判だ。塩の製造工程を間近で学べるだけでなく、五感で塩を体験できる工夫が詰まっている。
どこで買える?全国のスーパーから愛媛現地のお土産スポットまで
「現地に行かないと手に入らないのでは?」と心配する必要はない。現在では全国のほぼすべてのスーパーマーケットやドラッグストアの調味料コーナーに常時陳列されている。家庭用の赤袋(粗塩)から、使いやすい焼塩、卓上用ボトルまでラインナップも豊富だ。
一方で、愛媛県内の道の駅やしまなみ海道のサービスエリア、公式オンラインショップでは、大粒の塩結晶や限定パッケージ、塩を使った特製調味料や銘菓など、一般の流通には乗らない特別な関連商品が購入できる。日常の料理に使ういつもの塩も、その歴史や産地の物語を知って使うことで、いつもの食卓が少し味わい深いものになるはずだ。 (出典: 伯方 の 塩 どこ(Yahoo!ニュース))